甘く、溶ける、君に。
#最低で甘い







「ん……」



目が覚めて、ゆっくりと重いまぶたを持ち上げる。

白い天井が見える。ここ、どこだっけ?



「……」



体を起こして、隣で寝ているその人を確認する。

ふわふわしたベージュの髪の毛に優しく触れて、顔を覗き込む。

綺麗な寝顔。まつ毛が長くて羨ましい。



「……神崎(かんざき)先輩」



昨日は神崎先輩から連絡が来たんだった。

ベッドサイドに置かれている時計に目をやると、時刻は現在朝の6時半だとわかる。



学校、行かないと。多分先輩もそろそろ起きなきゃいけない。


脱ぎっぱなしだった制服に袖を通してから、ベッドに手をついて先輩の肩をトントンと叩く。




< 2 / 372 >

この作品をシェア

pagetop