甘く、溶ける、君に。
#最低で甘い
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「ん……」
目が覚めて、ゆっくりと重いまぶたを持ち上げる。
白い天井が見える。ここ、どこだっけ?
「……」
体を起こして、隣で寝ているその人を確認する。
ふわふわしたベージュの髪の毛に優しく触れて、顔を覗き込む。
綺麗な寝顔。まつ毛が長くて羨ましい。
「……神崎先輩」
昨日は神崎先輩から連絡が来たんだった。
ベッドサイドに置かれている時計に目をやると、時刻は現在朝の6時半だとわかる。
学校、行かないと。多分先輩もそろそろ起きなきゃいけない。
脱ぎっぱなしだった制服に袖を通してから、ベッドに手をついて先輩の肩をトントンと叩く。