甘く、溶ける、君に。
神崎先輩って、あんまり人に関心がなさそうで、そんな人にもバレてるって結構、相当顔に出てるのかな。
そもそも、私が授業に出ようとしない時点で察することはあったかも。顔にも出ていたとは思うけど。
そして私は促されるまま先輩の隣、ソファーに腰掛けた。
初めて座った保健室のソファー。思ったよりふかふかしてるなあ、とか。
「本当、珍しい。そんな顔見たことない」
「……わからないんです、たくさん、いっぱい」
優しくこちらを見ている先輩こそ、いつもと違う人みたいで、そんな表情は滅多に見ない。
気付いたら、口が動いていて。
ただ誰かに話を聞いてもらいたかっただけだったのか、
先輩から垣間見えた温かさに何か助言をもらいたくなったのか、
わからないけれど私はそのままゆっくり自分の今の気持ちを話し始めた。