甘く、溶ける、君に。







「うん、なるほど」



一通り話終わった私。自分でもわからない気持ち、まとめられるはずもなくて話している最中も訳が分からなくなってしまったけれど。



飽きて面倒だと言ってしまってもいいような私の話を最後まで何も言わず聞いてくれた神崎先輩。



それだけでちょっとだけ救われたような気がして十分だった。

やっぱり私は、誰かに聞いてもらいたかったのかもしれない。



「とりあえずまあ……この間会った時からわかってたけどね、幼なじみくんのこと好きなのは」



私の話を聞き終わった先輩は、ゆっくり口を開いた。


ゆっくり、柔らかさしかない口調で。




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