甘く、溶ける、君に。
「素直にならないのが、幼なじみくんに対しても茶髪くんに対しても一番最低だと思うよ、俺は」
「素直に……」
「うん、大丈夫。遥乃なら」
くしゃっと大きな手で頭をなでられる。
優しく触れられてドキッとしたけど、これは確実に条件反射。
優しい手に、表情に、言葉に、先輩の全部が「大丈夫」って言ってくれてるみたいで。
千輝くんにも田邊にもない、年上のあったかさ、なのかも。
「……ありがとうございます、先輩」
「ん」
話してスッキリした。聞いてもらえてよかったなって。
どうしたらいいか、きっと答えはもう明白。
自分でも心のどこかではわかっていた答えを、先輩が決定打として与えてくれた。