甘く、溶ける、君に。
隣の席から伝わる一直線な想いを、はやくはやく受け止めて、自分の気持ちを伝えなきゃいけないのに。
私はきっと千輝くんのことしか好きになれないって。
気持ち、受け止めるけど、受け入れて、応えることはできないって。
言わなきゃいけないのに、今日は言えなかった。
まだ勇気がなかったから。
田邊のこと傷つけたくないって、それもそうだけど、結局身勝手な私は自分が傷つきたくなくて勇気が出ないだけ。
自己嫌悪。本当に嫌。こんな自分が。
言わなきゃ何も変わらないこと、わかってるのに。
明日こそ言おうと。歩きながら決意するのは簡単だけど、実行できるのかはわからない。
先輩に言われた通り、本当に最低だ。
……一番、最低。