甘く、溶ける、君に。


「ありがとう、美味しかった。洗い物くらいはするね」


「いいって。気にすんなよ。一回部屋戻って準備してきて、一緒に学校行こう?」


「でも、」


「いいから。そもそも泊まらせちゃったのは俺のせいだし」



私も譲りたくはなかったけど、私以上に譲る気がなさそうなのでここは素直に甘えることにする。


それでこれを受け入れてしまった私は今日、千輝くんとの登校が確定。


きっと私の心臓はドキドキなりっぱなしだ。



そしてそれがもう、答えだから。

学校について、田邊に会ったら絶対に言おう。


自分の気持ち、絶対に伝えよう。今日しないと、一生できない。素直に、なること。



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