甘く、溶ける、君に。
「じゃあ……ごめんね、お願いします。ご飯、美味しかった」
「こちらこそ、昨日から感謝してる。エントランスで待ってる」
立ち上がって、部屋に一度戻ってから何をしなきゃいけないのか考える。
部屋の中に洗濯物干しっぱなしだ。シャワー浴びなきゃ。あとは何かあったかな……。
「……遥乃、その前に」
小さく、後ろから呼ばれて。
考えていた思考を止めて、振り向こうとした瞬間、振り向く前に動きを止められて、思考は完全停止。
千輝くんに、止められた。