甘く、溶ける、君に。


ごめん、なんて言っておいてこの男は全く反省する気がない。

女の子の気持ち弄んでおいてヘラヘラして、そんな態度。


最低にも程があってクズでひとでなしでしかないけれど、私自身がそっち寄りなせいで波長が合ってしまう。

いつまでも女の子を泣かせるような田邊でいてほしいとも思ってしまう。



田邊も悪いけど、私も悪い。


田邊を好きっていう純粋な乙女心に対して私たちは救いようのないことをしてるけど、それで改まれるほど私たちはよくできていない。


人間の心の部分が腐っているんだから仕方ない。
悪いのはわかっていてもとやかく言われたくないし口を出されたくない。



なんとでも言ってほしい、思ってほしい。私も田邊も、どうしようもない。けれど、押し付けないで。



< 56 / 372 >

この作品をシェア

pagetop