甘く、溶ける、君に。
「いまこの学年は田邊くん一強だけど、結構分散されて遥乃も楽になるんじゃない?……その子に手さえ出さなければ!」
なるほど、確かにそうかも。
一個上は神崎先輩がいて、この学年は田邊。
田邊とそのイケメン転校生くんが人気を二分してくれれば、私への嫉みももれなく半分。
……になるかどうかはわからないけれど、私への面白半分な興味も薄れてくれるといい。
「無理だろ、遥乃が?手出さないなんて無理無理。第一遥乃面食いだし」
「失礼ね田邊。私は自分からは行かないよ、来たらわかんないけど」