実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
「……ところで、アダルフォ殿はいつまでここに?」
去り際、ふと気になったのだろう。バルデマーがこちらを振り返り、そう尋ねる。
「――――いつまででも。俺の主はライラ様ですから」
淡々と答えるアダルフォに、彼は微かに目を丸くした。想像だにしなかったのだろう。
「本当に良いの? わたし、お給料もまともに出してあげられないのに」
朝食の後、アダルフォはこのままここに留まって、わたしの警護をしたいと言ってくれた。
今のわたしはただの平民だし、警護の必要なんてない……と、言いたいところだけど、一回姫君として発表されてしまったので、しばらくは危ないだろうなぁと思う。お父さんやお母さんを危険な目に遭わせたくないし、正直言って有難い申し出なのだけど。
「もちろんです。如何様にも――――ライラ様のお好きなようにお使いください」
そう言ってアダルフォは恭しく頭を下げる。
そんなアダルフォのことを、バルデマーが冷ややかな目で見つめていた。
去り際、ふと気になったのだろう。バルデマーがこちらを振り返り、そう尋ねる。
「――――いつまででも。俺の主はライラ様ですから」
淡々と答えるアダルフォに、彼は微かに目を丸くした。想像だにしなかったのだろう。
「本当に良いの? わたし、お給料もまともに出してあげられないのに」
朝食の後、アダルフォはこのままここに留まって、わたしの警護をしたいと言ってくれた。
今のわたしはただの平民だし、警護の必要なんてない……と、言いたいところだけど、一回姫君として発表されてしまったので、しばらくは危ないだろうなぁと思う。お父さんやお母さんを危険な目に遭わせたくないし、正直言って有難い申し出なのだけど。
「もちろんです。如何様にも――――ライラ様のお好きなようにお使いください」
そう言ってアダルフォは恭しく頭を下げる。
そんなアダルフォのことを、バルデマーが冷ややかな目で見つめていた。