実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
(アダルフォは将来、良い指導者になれるかもしれない)
自己主張をあまりしないし、進んで前に出るタイプではない。けれど『この人に付いて行きたい』って思わせる何かがアダルフォにはあるんだと思う。
(これ以上危険はないって判断したら、アダルフォは城に返さなきゃね)
いつまでもわたしの側に縛り付けちゃいけない。彼の実力と才能はきちんと認められるべきだ。国のために力を使って欲しいと、心から思う。
見えていなかったものは他にもある。
多分だけど――――シルビアはランハートのことが好きだったんだと思う。
初めてシルビアに会った日、彼女はランハートに対して敵意を剥き出しにしていた。いつも穏やかでとても優しいのに、彼に対してだけ、妙に攻撃的だった。
この間本人が言っていた通り、シルビアは聖女になって以降、極力感情を押し殺して生きてきたんだと思う。そんな彼女にとってランハートは、数少ない本音と感情を引き出してくれる相手だった。だからこそ好きになったし、その分だけ嫌いになったんじゃないだろうか。
(なんて、本当のところはシルビアにしか分からないんだけど)
自己主張をあまりしないし、進んで前に出るタイプではない。けれど『この人に付いて行きたい』って思わせる何かがアダルフォにはあるんだと思う。
(これ以上危険はないって判断したら、アダルフォは城に返さなきゃね)
いつまでもわたしの側に縛り付けちゃいけない。彼の実力と才能はきちんと認められるべきだ。国のために力を使って欲しいと、心から思う。
見えていなかったものは他にもある。
多分だけど――――シルビアはランハートのことが好きだったんだと思う。
初めてシルビアに会った日、彼女はランハートに対して敵意を剥き出しにしていた。いつも穏やかでとても優しいのに、彼に対してだけ、妙に攻撃的だった。
この間本人が言っていた通り、シルビアは聖女になって以降、極力感情を押し殺して生きてきたんだと思う。そんな彼女にとってランハートは、数少ない本音と感情を引き出してくれる相手だった。だからこそ好きになったし、その分だけ嫌いになったんじゃないだろうか。
(なんて、本当のところはシルビアにしか分からないんだけど)