実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
「それでは、アーチーとの手合わせをご覧に入れましょう」
ランスロットはそう言って、騎士達に指示を出す。やがて、精悍な出で立ちの若者一人を残し、騎士達が練武場の外へと移動していった。
アダルフォは変に気負う様子もなく、練武場の真ん中へと進んでいく。
「ささ、姫様」
試合が良く見えるよう、騎士達がわたしを特等席へと案内してくれた。腰を下ろし、訓練用の摸造刀を構えるアダルフォを見つめる。興奮で胸が高鳴った。
「はじめ!」
相図の瞬間、練武場に鈍い音が響き渡る。剣同士のぶつかる音だ。
早い。
普段アダルフォが纏っている穏やかな雰囲気からは想像できない程、鋭く軽快な身のこなしだ。その癖、一振り一振りがすごく重くて、相手が圧されているのが分かる。
「アダルフォめ……手加減していますね」
ふと、騎士達の囁きが聞こえてきた。
だけど、わたしも同意見。アダルフォは手加減しているというか、試合を引き延ばすため、相手の成長を促すために、敢えてそうしているんだろうなぁって思う。本当なら、一瞬で勝負がついたんだろうなってことも。
(すごいなぁ)
エメットと訓練をしている時にも思ったことだけど、これまで知らなかったアダルフォの一面に素直に感動してしまう。
ランスロットはそう言って、騎士達に指示を出す。やがて、精悍な出で立ちの若者一人を残し、騎士達が練武場の外へと移動していった。
アダルフォは変に気負う様子もなく、練武場の真ん中へと進んでいく。
「ささ、姫様」
試合が良く見えるよう、騎士達がわたしを特等席へと案内してくれた。腰を下ろし、訓練用の摸造刀を構えるアダルフォを見つめる。興奮で胸が高鳴った。
「はじめ!」
相図の瞬間、練武場に鈍い音が響き渡る。剣同士のぶつかる音だ。
早い。
普段アダルフォが纏っている穏やかな雰囲気からは想像できない程、鋭く軽快な身のこなしだ。その癖、一振り一振りがすごく重くて、相手が圧されているのが分かる。
「アダルフォめ……手加減していますね」
ふと、騎士達の囁きが聞こえてきた。
だけど、わたしも同意見。アダルフォは手加減しているというか、試合を引き延ばすため、相手の成長を促すために、敢えてそうしているんだろうなぁって思う。本当なら、一瞬で勝負がついたんだろうなってことも。
(すごいなぁ)
エメットと訓練をしている時にも思ったことだけど、これまで知らなかったアダルフォの一面に素直に感動してしまう。