実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜

39.核心に触れる

(どうしよう。非常~~~~に気まずい!)


 アダルフォショックは、わたしが想像していたよりもずっと影響が大きかった。
 彼は四六時中一緒に居るし。その癖基本無口だし。
 これまでアダルフォとどんな風に過ごしていたか分からなくなってしまったのだ。

 ふとしたタイミングの沈黙が重たい。空気を変えるために何か喋ろうとして、だけど何を話せば良いか分からない。

 本当に、恋愛って何が正解なんだろう?


「姫様……如何しましたか?」


 呼び掛けにハッと顔を上げる。見れば、バルデマーがわたしの顔を覗き込んでいた。
 今は城内の庭園に二人きり。いつもお茶ばかりでは何だからと、こうして誘い出してくれたのだ。


「花に見惚れていたのよ。綺麗よねぇ」


 白々しい程の嘘。本当は少し離れた所から護衛をしているアダルフォが気になって、花を愛でるどころじゃない。理由まではバルデマーにバレてないと思いたいのだけど。


「……お疲れでいらっしゃいましたか? すみません、無理に連れ出したりして」

「えっ? 違う違う! そうじゃないから安心して?」


 いけない。バルデマーに気を遣わせてしまった。折角誘い出してくれたのに、本当に失礼だったと反省する。


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