実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
何よそれ。バルデマーがランハートの何を知っているっていうの?
その上彼は、ランハートを貶しているようで、おじいちゃんやわたしのことも否定している。
バルデマーは真剣な表情で、わたしに詰め寄った。
「アダルフォだってそうです。騎士として有能であっても、彼が王配として政務が出来るとは思いません。第一彼には、王配としてやっていこうという気概がない。それなのに姫様は、どうして彼を気にされるのです?」
バルデマーがそっとわたしの頬を撫でる。
いつもと同じ、王子様みたいな優しい手付きで。
だけどわたしの胸は、恐ろしいほど凪いでいた。これ以上バルデマーが二人を悪く言うのを聞きたくない。
「――――今日は誘ってくれてありがとう。部屋に戻るわ。することが山積みなんだもの。見送りは結構よ」
そう言って、クルリと踵を返す。
けれど、バルデマーはわたしの腕を掴み、強引に振り向かせた。
「お待ちください、姫様! 私ならばこの国をもっと豊かにできます。姫様はただ、笑って側に居て下さったらそれで良い。私があなたを幸せにして差し上げます」
真剣な眼差し。受け取り手であるこちらの気分も引き締まる。
「それが……あなたからの求婚と受け取って良いのかしら?」
尋ねれば、バルデマーはグッと唇を引き結び、わたしの前に勢いよく跪いた。
「姫様――――どうか私を、あなたの夫にお選びください。どうか――――」
縋る様に握られた手のひらがとても熱い。
美しい花々の咲き乱れる花園の中、しばらくの間、わたし達は互いを静かに見つめ合っていた。
その上彼は、ランハートを貶しているようで、おじいちゃんやわたしのことも否定している。
バルデマーは真剣な表情で、わたしに詰め寄った。
「アダルフォだってそうです。騎士として有能であっても、彼が王配として政務が出来るとは思いません。第一彼には、王配としてやっていこうという気概がない。それなのに姫様は、どうして彼を気にされるのです?」
バルデマーがそっとわたしの頬を撫でる。
いつもと同じ、王子様みたいな優しい手付きで。
だけどわたしの胸は、恐ろしいほど凪いでいた。これ以上バルデマーが二人を悪く言うのを聞きたくない。
「――――今日は誘ってくれてありがとう。部屋に戻るわ。することが山積みなんだもの。見送りは結構よ」
そう言って、クルリと踵を返す。
けれど、バルデマーはわたしの腕を掴み、強引に振り向かせた。
「お待ちください、姫様! 私ならばこの国をもっと豊かにできます。姫様はただ、笑って側に居て下さったらそれで良い。私があなたを幸せにして差し上げます」
真剣な眼差し。受け取り手であるこちらの気分も引き締まる。
「それが……あなたからの求婚と受け取って良いのかしら?」
尋ねれば、バルデマーはグッと唇を引き結び、わたしの前に勢いよく跪いた。
「姫様――――どうか私を、あなたの夫にお選びください。どうか――――」
縋る様に握られた手のひらがとても熱い。
美しい花々の咲き乱れる花園の中、しばらくの間、わたし達は互いを静かに見つめ合っていた。