実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜

4.一番手と二番手

 葬儀はつつがなく終わった。――――というか、流れも作法も手順も良く分からなかったから、気づいたら終わっていたっていうのが正しい。


「ライラ、もう少しこちらに」


 国王様は式典が終わると同時に、穏やかな表情のおじいちゃんに戻った。ニコニコとわたしを手招きして自分のすぐ傍に置く。
 たくさんの貴族たちがお悔やみの言葉を述べるため、おじいちゃんの元に集まっていた。どうやらわたしを見せびらかすつもりらしい。


「おじいちゃん、あの……」

「ああ、ランハート!」


 おじいちゃんはわたしの言葉を無視して、一人の男性に声を掛けた。小麦色に近い金髪に水色の瞳をした甘いマスクの男性だ。まだ20代になりたてといったぐらいの風貌で、フェロモン強めな感じ。この人が街を出歩いたら、あっという間に女性から取り込まれるんじゃないかなぁと思う。大人のお姉さんにモテそうなタイプだ。


(……この人、おじいちゃんと仲の良い人なのかな?)


 そもそも王様に謁見できる人は極一部って聞いたことがあるし、若くしてこの場で気軽に声を掛けてもらえるなんて、相当覚えが目出度いに違いない。


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