実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
「実は私は殿下の下で文官として働くのが夢だったのです。殿下は素晴らしい方で、本当に……心から尊敬していましたから。
しかし、殿下の下で働く夢は叶いませんでしたが、私はこれから先も国のため、この身を捧げるつもりでございます。その過程で姫様にお会いする機会も多いことでしょう。年齢も近いですし、仲良くしていただけると幸いです」
そう口にするバルデマーの瞳はキラキラと輝いていて、わたしは思わず息を呑む。
(真っ直ぐな人だなぁ)
お人形みたいな感じで、あまり温度を感じないタイプだなぁなんて思っていたけど、本当は内側に熱い感情を隠しているタイプらしい。「よろしく……」と言い掛けて、わたしはハッと口を噤んだ。
(いけない、いけない)
わたしはこの後、家に帰るんだもの。守る気のない約束はしちゃいけない。曖昧に微笑みながら、お茶を濁すことにする。
「――――――おまえに二番手を許そう」
ボソリと、まるで独り言のようにおじいちゃんが言う。
(今の、わたしに?)
そう思って顔を上げると、バルデマーが「ありがたき幸せにございます」と言って朗らかな笑みを浮かべた。
しかし、殿下の下で働く夢は叶いませんでしたが、私はこれから先も国のため、この身を捧げるつもりでございます。その過程で姫様にお会いする機会も多いことでしょう。年齢も近いですし、仲良くしていただけると幸いです」
そう口にするバルデマーの瞳はキラキラと輝いていて、わたしは思わず息を呑む。
(真っ直ぐな人だなぁ)
お人形みたいな感じで、あまり温度を感じないタイプだなぁなんて思っていたけど、本当は内側に熱い感情を隠しているタイプらしい。「よろしく……」と言い掛けて、わたしはハッと口を噤んだ。
(いけない、いけない)
わたしはこの後、家に帰るんだもの。守る気のない約束はしちゃいけない。曖昧に微笑みながら、お茶を濁すことにする。
「――――――おまえに二番手を許そう」
ボソリと、まるで独り言のようにおじいちゃんが言う。
(今の、わたしに?)
そう思って顔を上げると、バルデマーが「ありがたき幸せにございます」と言って朗らかな笑みを浮かべた。