実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
56.模範解答と本音
「準備は?」
端的な質問に顔を上げる。
おじいちゃんは食事を口に運びつつ、わたしのことを見つめていた。
「至って順調よ。文官達が頑張ってくれているもの」
答えながら、わたしはそっと視線を逸らす。
家出以降、おじいちゃんはわたしとの約束を律儀に守り、一緒に食事をする時間を作ってくれている。
元々食が細く、忙しさにかまけて簡単に食べられるもので済ませていたらしく、わたしと食事をすることは、おじいちゃんの側近たちに随分と喜ばれた。
おじいちゃんにはあと二十年ぐらい、国王として元気に生きてもらいたいところ。健康第一。身体を大切にしてほしい。
「そちらの方はあまり心配していない。
ランハートとはうまく行っているのか?」
その瞬間、ドキッと大きく心臓が跳ねた。
「……どうしてそう思うの?」
「お前の顔を見ていればわかる。表情に迷いが見えるからな」
鋭い眼差しで射抜かれて、わたしは思わず口を噤む。
「そんなこと言って、本当はアダルフォから聞いたんじゃないの?」
「……お前も大分知恵がついたな」
「やっぱり。そんなことだと思った」
アダルフォに命じたのは、ランハート本人に追及をするなっていうことだけ。
おじいちゃんに報告するなとは言っていないんだもの。
「婚約を考え直すべきだと言われた。お前自身はどう思う?」
おじいちゃんはこれまた端的に問う。わたしは思わず眉間にシワを寄せた。
端的な質問に顔を上げる。
おじいちゃんは食事を口に運びつつ、わたしのことを見つめていた。
「至って順調よ。文官達が頑張ってくれているもの」
答えながら、わたしはそっと視線を逸らす。
家出以降、おじいちゃんはわたしとの約束を律儀に守り、一緒に食事をする時間を作ってくれている。
元々食が細く、忙しさにかまけて簡単に食べられるもので済ませていたらしく、わたしと食事をすることは、おじいちゃんの側近たちに随分と喜ばれた。
おじいちゃんにはあと二十年ぐらい、国王として元気に生きてもらいたいところ。健康第一。身体を大切にしてほしい。
「そちらの方はあまり心配していない。
ランハートとはうまく行っているのか?」
その瞬間、ドキッと大きく心臓が跳ねた。
「……どうしてそう思うの?」
「お前の顔を見ていればわかる。表情に迷いが見えるからな」
鋭い眼差しで射抜かれて、わたしは思わず口を噤む。
「そんなこと言って、本当はアダルフォから聞いたんじゃないの?」
「……お前も大分知恵がついたな」
「やっぱり。そんなことだと思った」
アダルフォに命じたのは、ランハート本人に追及をするなっていうことだけ。
おじいちゃんに報告するなとは言っていないんだもの。
「婚約を考え直すべきだと言われた。お前自身はどう思う?」
おじいちゃんはこれまた端的に問う。わたしは思わず眉間にシワを寄せた。