実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
「わたしには父が二人、母が三人おります。
一人目の母は、わたしを命がけで産んでくれました。今わたしが存在するのは、一人目の母のおかげです。
二人目の母と一人目の父は、わたしが自分を姫君だと知るまでの間、平民として大事に育て、慈しんでくれました。幸せとは何なのか、家族とはどういうものか、愛情を教えてくれたのもこの二人でした。
そして、二人目の父は先日亡くなったクラウス殿下です。彼はわたしが一人の女の子として幸せに生きられるよう、育ての父母へと託してくれました。王太子として豊かで平和な国を作り、わたしやこの国の人々を幸せへと導いてくれました。
三人目の母は、王太子妃であるゼルリダ殿下です。彼女もまた、わたしが普通の女の子として幸せに生きられるよう、心を砕いてくれました。今は、王族としてどうあるべきか、わたしを導いてくれています。
わたしが今、こうしてここに居られるのは、二人の父、三人の母のおかげです。彼等の愛情のおかげです。心からの感謝と敬意を父母に捧げたいと思います。
さて、わたしは今ここで、王太女になりました。
この国はわたしにとっての家族そのもの。
わたしはこれから王太女として、父となり母となり、人々の幸せを守っていきたい――――それがわたしに課せられた使命だと思っております。
父母がそうしてくれたように、たくさんの愛情を胸に、一歩一歩、歩んでゆくことをここに誓います
王太女 ライラ」
大きく息を吸い前を向く。
その瞬間、広間をビリビリと痺れるような大歓声が轟いた。
湧き上がる拍手。人々がわたしの名前を呼ぶ。
込み上げる感情を胸に、傍らに跪くランハートを見遣る。
「お供しますよ」
彼の唇がそんな風に動くのを見ながら、わたしはしっかりと胸を張る。
わたしはライラ。
この国の王太女です!
一人目の母は、わたしを命がけで産んでくれました。今わたしが存在するのは、一人目の母のおかげです。
二人目の母と一人目の父は、わたしが自分を姫君だと知るまでの間、平民として大事に育て、慈しんでくれました。幸せとは何なのか、家族とはどういうものか、愛情を教えてくれたのもこの二人でした。
そして、二人目の父は先日亡くなったクラウス殿下です。彼はわたしが一人の女の子として幸せに生きられるよう、育ての父母へと託してくれました。王太子として豊かで平和な国を作り、わたしやこの国の人々を幸せへと導いてくれました。
三人目の母は、王太子妃であるゼルリダ殿下です。彼女もまた、わたしが普通の女の子として幸せに生きられるよう、心を砕いてくれました。今は、王族としてどうあるべきか、わたしを導いてくれています。
わたしが今、こうしてここに居られるのは、二人の父、三人の母のおかげです。彼等の愛情のおかげです。心からの感謝と敬意を父母に捧げたいと思います。
さて、わたしは今ここで、王太女になりました。
この国はわたしにとっての家族そのもの。
わたしはこれから王太女として、父となり母となり、人々の幸せを守っていきたい――――それがわたしに課せられた使命だと思っております。
父母がそうしてくれたように、たくさんの愛情を胸に、一歩一歩、歩んでゆくことをここに誓います
王太女 ライラ」
大きく息を吸い前を向く。
その瞬間、広間をビリビリと痺れるような大歓声が轟いた。
湧き上がる拍手。人々がわたしの名前を呼ぶ。
込み上げる感情を胸に、傍らに跪くランハートを見遣る。
「お供しますよ」
彼の唇がそんな風に動くのを見ながら、わたしはしっかりと胸を張る。
わたしはライラ。
この国の王太女です!