実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
王太子殿下にはゼルリダ様っていうめちゃくちゃ美人なお妃様がいらっしゃるんだけど、残念ながらお二人は子宝に恵まれなかったらしい。ゼルリダ様はまだお若いし、離縁も側室を迎えることもせずに懐妊を待っていたものの、ついには叶わなかったようだ。
「今頃貴族どもはてんやわんやしてるんだろうなぁ。お亡くなりになったのも急だったし」
エメットはそう言って不敵な笑みを浮かべる。彼は昔から貴族や王族が好きじゃない。『国民の税金で暮らしている』とか『特権階級』っていうのが気に喰わないんだって。
(わたしは気にならないんだけどなぁ)
貴族とか王族とか、十六年間の人生で一度も関りがなかったんだもの。雲の上の話だし、気にするだけ損というか……イライラしても仕方ないんじゃないかなぁと思う。
(なんて……エメットには口が裂けても言えないけど)
苦笑いを浮かべつつ、「そうだねぇ」って口裏を合わせて、わたし達は家へ急いだ。
「今頃貴族どもはてんやわんやしてるんだろうなぁ。お亡くなりになったのも急だったし」
エメットはそう言って不敵な笑みを浮かべる。彼は昔から貴族や王族が好きじゃない。『国民の税金で暮らしている』とか『特権階級』っていうのが気に喰わないんだって。
(わたしは気にならないんだけどなぁ)
貴族とか王族とか、十六年間の人生で一度も関りがなかったんだもの。雲の上の話だし、気にするだけ損というか……イライラしても仕方ないんじゃないかなぁと思う。
(なんて……エメットには口が裂けても言えないけど)
苦笑いを浮かべつつ、「そうだねぇ」って口裏を合わせて、わたし達は家へ急いだ。