実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
6.温かい涙
無駄に広くて豪華な部屋にわたしの泣き声が木霊する。
何だか物凄く虚しい気分だった。自分と言う人間が全くの無価値になったようなそんな気分。
(実際は平民から王族になったのに、皮肉なものね)
『必要だ』と言われている筈なのに、寧ろ『必要ない』と言われている気がする。何ならこんな風に泣いていること自体が馬鹿らしい。だって、わたしという人間の意思は必要ないんだもの。唯一の王位継承者として人形になれと言われているようなものだ。
(っていうか無理よ! わたしが王位を継ぐなんて)
おじいちゃんにとっては他に選択肢が無いのかもしれないけど、十六年間も平民として過ごしてきた人間が王位を継ぐなんて馬鹿げている。
必要とされる知識も考え方も礼儀作法すら、わたしは何一つ持っていない。今から身に着けるにしても、本当に一からのスタートだから物凄く時間が掛かってしまうし、その辺の貴族を後釜に据える方がよっぽどマシだ。薄くても王族の血が流れている人間は居るだろうし、わたしじゃなきゃいけない理由は見つからない。
何だか物凄く虚しい気分だった。自分と言う人間が全くの無価値になったようなそんな気分。
(実際は平民から王族になったのに、皮肉なものね)
『必要だ』と言われている筈なのに、寧ろ『必要ない』と言われている気がする。何ならこんな風に泣いていること自体が馬鹿らしい。だって、わたしという人間の意思は必要ないんだもの。唯一の王位継承者として人形になれと言われているようなものだ。
(っていうか無理よ! わたしが王位を継ぐなんて)
おじいちゃんにとっては他に選択肢が無いのかもしれないけど、十六年間も平民として過ごしてきた人間が王位を継ぐなんて馬鹿げている。
必要とされる知識も考え方も礼儀作法すら、わたしは何一つ持っていない。今から身に着けるにしても、本当に一からのスタートだから物凄く時間が掛かってしまうし、その辺の貴族を後釜に据える方がよっぽどマシだ。薄くても王族の血が流れている人間は居るだろうし、わたしじゃなきゃいけない理由は見つからない。