実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
「姫様――――あまり、お一人で抱え込まないでくださいね」
その時、バルデマーがそう言ってわたしの顔を覗き込んだ。
「え……?」
彼は慈しむような瞳でわたしを見つめつつ、微かに笑みを浮かべる。わたしは徐にバルデマーを見つめ返した。
「聞けば姫様は、つい先日までご自身の出自をご存じなかったとのこと。いきなり王位継承者に指名され、さぞやご不安なことでしょう。周りの期待も大きいですし、背負われるものも大きい。
しかし、姫様は一人ではございません。私が姫様の側に居ます。
王族の重荷を共に背負い、国を繁栄へと導くために、私達貴族は存在します。ですから姫様――――思う存分、私をお使いください。
不安や想いを無理に打ち明ける必要はございません。ただ、あなたには私がいるのだと……そのことを忘れないでください」
バルデマーの言葉は真っ直ぐに、わたしの胸へと突き刺さる。使命感に燃えた彼の瞳に、わたしは口の端を綻ばせる。
その時、バルデマーがそう言ってわたしの顔を覗き込んだ。
「え……?」
彼は慈しむような瞳でわたしを見つめつつ、微かに笑みを浮かべる。わたしは徐にバルデマーを見つめ返した。
「聞けば姫様は、つい先日までご自身の出自をご存じなかったとのこと。いきなり王位継承者に指名され、さぞやご不安なことでしょう。周りの期待も大きいですし、背負われるものも大きい。
しかし、姫様は一人ではございません。私が姫様の側に居ます。
王族の重荷を共に背負い、国を繁栄へと導くために、私達貴族は存在します。ですから姫様――――思う存分、私をお使いください。
不安や想いを無理に打ち明ける必要はございません。ただ、あなたには私がいるのだと……そのことを忘れないでください」
バルデマーの言葉は真っ直ぐに、わたしの胸へと突き刺さる。使命感に燃えた彼の瞳に、わたしは口の端を綻ばせる。