実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
「そうね……アダルフォの言う通り。バルデマーはカッコいいし、優しくしてくれるし、気に入っていたというか――――――良い話し相手になってくれると良いなぁって割と本気で思っていたの。だけど、彼といると何となく疲れるのよね……」
こんなこと、あまり人に言うべきじゃないのかもしれない。だけどわたしは、己が抱いている違和感を誰かに共有したかった。
バルデマーがどうしてわたしに親切にするのか。こうも交流を持ちたがるのか――その瞳の奥に隠れたメラメラと燃えるような何かを、既にわたしは感じ取っている。
良い言い方をすれば『熱心』。だけど、悪い言い方をすれば『ガツガツしている』という感じ。
彼はわたしに興味を抱いているようでいて、わたし自身には興味はない。いつも、もっと別の何かを見つめている。
(それが何なのか――――全く分からないわけではないけれど)
考えれば考えるほど虚しくなってくるので、深くは考えないようにしていた。
こんなこと、あまり人に言うべきじゃないのかもしれない。だけどわたしは、己が抱いている違和感を誰かに共有したかった。
バルデマーがどうしてわたしに親切にするのか。こうも交流を持ちたがるのか――その瞳の奥に隠れたメラメラと燃えるような何かを、既にわたしは感じ取っている。
良い言い方をすれば『熱心』。だけど、悪い言い方をすれば『ガツガツしている』という感じ。
彼はわたしに興味を抱いているようでいて、わたし自身には興味はない。いつも、もっと別の何かを見つめている。
(それが何なのか――――全く分からないわけではないけれど)
考えれば考えるほど虚しくなってくるので、深くは考えないようにしていた。