実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
「――――――実は、姫様にご紹介したい方が居るのです」
そう言ってアダルフォはそっとわたしの顔を覗き込む。
「紹介したい人?」
まさかそんなことを言われるとは思っていなかったので、存外驚いてしまった。アダルフォはコクリと頷くと、また徐に口を開いた。
「姫様の前に俺が警護をしていた方です。
名をシルビア様といい、年齢は姫様の二つ年上の18歳。伯爵令嬢でいらっしゃいますが、数年前に聖女に選ばれ、以降はこの城に住んでいらっしゃいます」
淡々と人物紹介をするアダルフォに、わたしはほんのりと目を丸くする。
(へぇ……そんな方がいらっしゃるんだ)
国や城についてのあれこれは、まだまだ知らないことが多い。一生懸命勉強しているものの、聖女とか騎士とか文官とか、そういう役職がある程度の知識しか持っていなかった。
「だけど、どうしてそんな方をわたしに?」
わたしと話をしたい、紹介してほしいという貴族は、実は結構多い。理由はとってもシンプルで『王族に顔を売りたい』っていう話だ。
けれど、アダルフォや聖女様にはそういう野心みたいなものは無いように思う。小さく首を傾げると、アダルフォは直立不動のまま口を開いた。
そう言ってアダルフォはそっとわたしの顔を覗き込む。
「紹介したい人?」
まさかそんなことを言われるとは思っていなかったので、存外驚いてしまった。アダルフォはコクリと頷くと、また徐に口を開いた。
「姫様の前に俺が警護をしていた方です。
名をシルビア様といい、年齢は姫様の二つ年上の18歳。伯爵令嬢でいらっしゃいますが、数年前に聖女に選ばれ、以降はこの城に住んでいらっしゃいます」
淡々と人物紹介をするアダルフォに、わたしはほんのりと目を丸くする。
(へぇ……そんな方がいらっしゃるんだ)
国や城についてのあれこれは、まだまだ知らないことが多い。一生懸命勉強しているものの、聖女とか騎士とか文官とか、そういう役職がある程度の知識しか持っていなかった。
「だけど、どうしてそんな方をわたしに?」
わたしと話をしたい、紹介してほしいという貴族は、実は結構多い。理由はとってもシンプルで『王族に顔を売りたい』っていう話だ。
けれど、アダルフォや聖女様にはそういう野心みたいなものは無いように思う。小さく首を傾げると、アダルフォは直立不動のまま口を開いた。