実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
「お二人とも、きっと喜ばれるでしょうね」
「うん……そうだったら良いなぁ」
喜んでくれるという確信はあっても、実際に顔を見られるわけじゃない。絶対って言いきれないあたりがもどかしい。
因みに、両親への手紙の運搬は、わたしを城に連れてきた騎士で、アダルフォの上司に当たるランスロットが務めているんだそうだ。
(どうせなら二人の反応とか、返事とかも持ち帰ってくれたら良いのに)
そんなことを思うけど、わたしが直接やり取りするわけじゃないし、エリーから目上の人間に交渉させるのは酷だろう。
(早く、二人からのお返事が届きますように)
心の中で祈りつつ、わたしはエリーを見送った。
「少しは好きになれましたか、刺繍」
アダルフォがわたしに尋ねる。
「うん。最初程の苦手意識はなくなったし、好きになったと思う。今後は、商品として売られているものも参考に取り寄せてみたいし、自分でももっと色んな縫い方を試してみるつもり」
「それは良かった」
わたしが答えると、アダルフォは穏やかに微笑む。胸がほんわかと温かくなった。
以前に比べて、アダルフォは口数が増えたように思う。シルビアのおかげで彼について知っていることが増えたし、互いに慣れてきたのかもしれない。わたしにとって最も身近な人間の一人だし、こんな風に気軽に話してもらえるようになったことを嬉しく思う。
(もっと仲良くなれると良いなぁ)
そんなことを考えながら、わたしは穏やかに目を細めた。
「うん……そうだったら良いなぁ」
喜んでくれるという確信はあっても、実際に顔を見られるわけじゃない。絶対って言いきれないあたりがもどかしい。
因みに、両親への手紙の運搬は、わたしを城に連れてきた騎士で、アダルフォの上司に当たるランスロットが務めているんだそうだ。
(どうせなら二人の反応とか、返事とかも持ち帰ってくれたら良いのに)
そんなことを思うけど、わたしが直接やり取りするわけじゃないし、エリーから目上の人間に交渉させるのは酷だろう。
(早く、二人からのお返事が届きますように)
心の中で祈りつつ、わたしはエリーを見送った。
「少しは好きになれましたか、刺繍」
アダルフォがわたしに尋ねる。
「うん。最初程の苦手意識はなくなったし、好きになったと思う。今後は、商品として売られているものも参考に取り寄せてみたいし、自分でももっと色んな縫い方を試してみるつもり」
「それは良かった」
わたしが答えると、アダルフォは穏やかに微笑む。胸がほんわかと温かくなった。
以前に比べて、アダルフォは口数が増えたように思う。シルビアのおかげで彼について知っていることが増えたし、互いに慣れてきたのかもしれない。わたしにとって最も身近な人間の一人だし、こんな風に気軽に話してもらえるようになったことを嬉しく思う。
(もっと仲良くなれると良いなぁ)
そんなことを考えながら、わたしは穏やかに目を細めた。