実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
「そんなことはありません。貴族にとって急なお呼ばれは日常茶飯事です。
とはいえ、姫様は王族――――未来の王太女でいらっしゃいますから、僕等みたいに今日明日、って形での招待はそう無いとは思いますけどね。
それに、何事も短期集中で学んだ方が効率が良いでしょう?」
「まぁね……確かにそうなんだけど」
刺繍の件だって、両親に贈り物をするっていう明確な目標があったから、短期間で頑張ろうと思えた。講師たちも、明確な期日がある方が教えやすいだろうとも思う。
単純に、わたしの逃げ道が無くなってしまうってだけで。
(――――まぁ、良いか)
遅かれ早かれ通らなければならない道なら、さっさと通過してしまった方が良い。綺麗に舗装までしてくれるのなら、それが何よりじゃない。
わたしの表情から感情を読み取ったのだろう。ランハートは「決まりですね」と言って、満足気に微笑んだ。
「あっ、エリー! 良いところに来てくれたわ」
その時、お茶のお替りを持って、侍女のエリーがやって来た。エリーはビクッと身体を震わせたかと思うと、何やらぎこちない笑みを浮かべる。
とはいえ、姫様は王族――――未来の王太女でいらっしゃいますから、僕等みたいに今日明日、って形での招待はそう無いとは思いますけどね。
それに、何事も短期集中で学んだ方が効率が良いでしょう?」
「まぁね……確かにそうなんだけど」
刺繍の件だって、両親に贈り物をするっていう明確な目標があったから、短期間で頑張ろうと思えた。講師たちも、明確な期日がある方が教えやすいだろうとも思う。
単純に、わたしの逃げ道が無くなってしまうってだけで。
(――――まぁ、良いか)
遅かれ早かれ通らなければならない道なら、さっさと通過してしまった方が良い。綺麗に舗装までしてくれるのなら、それが何よりじゃない。
わたしの表情から感情を読み取ったのだろう。ランハートは「決まりですね」と言って、満足気に微笑んだ。
「あっ、エリー! 良いところに来てくれたわ」
その時、お茶のお替りを持って、侍女のエリーがやって来た。エリーはビクッと身体を震わせたかと思うと、何やらぎこちない笑みを浮かべる。