だって、恋したいもん!
第百三十三話 民研の莉菜
そして木曜日になった。
今日から泣き虫MARRYも練習に参加して本格的に始動だ。
自転車を漕いでいると前にギターケースを肩にかけた由依がいた。
理佐「由依おはよう♪」
由依「あ、理佐おはよう♪」
理佐「重そうだね」
由依「うん、アコギよりは重いけど…でも大丈夫」
理佐「どう?いけそう?」
由依「うん、一人でテープと合わせてると何とかだけど…みんなで合わせるとどうだろうね」
理佐「みんなバンドでやるのは初めてだもんね」
由依「理佐は上手いことやってたじゃん」
理佐「うん、でもあれは西野くんたちに引っ張ってもらってたって感じ…合わせてくれてた感じだよ」
由依「そうなんだ…」
理佐「でも基本はドラムのリズムについていく感じかな? だから茜次第かも」
由依「あたしも弾き語りとかしかやったことないからみんなで合わせるとなるとなぁ~」
理佐「まだ文化祭まで四ヶ月あるから大丈夫だよ」
由依「そうだね、ダメなら理佐のピアノの発表会にしちゃえばいいんだし」
理佐「えーー!!何それーー!!」
由依「アハハッ、軽音でピアノの発表会だって!ウケる!!♪」
理佐「ちょっとぉー!やめてよぉー!」
「由依~、おはよう♪」
と、声をかけてきたのは民研の莉菜だった。

由依「おー、莉菜ーおはよう♪」
莉菜「やっぱホントに軽音入ったんだ」
由依「うん、ごめんねー民研に誘ってくれてたのにー」
莉菜「うん…でも軽音と民研なら姉妹みたいなもんだし、文化祭とかも一緒にやるからいいじゃん」
由依「成り行きで入っちゃったけど大丈夫かな?」
莉菜「由依ギター上手いからエレキでも大丈夫でしょ」
由依「うぅん、でもやっぱ全然違うから難しいよ」
莉菜「文化祭は出るんでしょ?」
由依「うん、そのつもりで今日から練習するよ」
莉菜「あ、理佐ー…こないだのキーボードよかったよー♪」
理佐「あ、ありがとう」
莉菜「民研にも何かあったらヘルプで来てねー♡」
理佐「あ、うん…私でよかったら」
莉菜「またヒマあったら練習覗きに行くよ」
由依「オッケー」
莉菜「じゃあ先行くねー」
由依「うん、またー」
と、莉菜は立ち漕ぎしてスピードを上げて先に行ってしまった。
理佐「わっ、莉菜って立ち漕ぎするんだ」
由依「そう!妖精みたいに可愛いのに意外とね!」
と、話していると私たちも学校に着いて自転車置き場へ行った。
すると彼と美波が話をしていた。
理佐「おはよう♪」
由依「おはよう♪」
義雄「おはよう♪」
美波「おはよう♪ 待ってたんだよ」
由依「どうしたの?」
義雄「部室、カギかけられるからギター置いとけばいいよ。教室持って行くと移動の時とか大変でしょ」
由依「あーそっかぁ、ありがとう」
義雄「じゃあ行こうか?」
由依「ん?あのタバコ臭い部室に入るの?」
義雄「あ………」
美波「わぁー、髪の毛とか服とかに臭い付いちゃうじゃーん」
義雄「あ、いやぁ……大丈夫だとは思うけど…」
由依「えー……」
美波「えー……」
義雄「あ、じゃあ音楽室の隣の機材置き場に置いとく?」
由依「うんうん」
美波「うんうん」
義雄「じゃあちょっと先生にカギ借りてくるわ」
と、彼は走って職員室へ向かって行った。
由依「あぁ言うところがまだまだだね」
美波「うん、女心をわかってないね」
理佐「……………」
第百三十四話へつづく…