だって、恋したいもん!
第十八話 カンペ
ガチャ
「はい、西野です」
理佐「………」
由依「ほら!理佐!!」
理佐「あ、あのぉ……」
「はい、どちら様ですか?」
理佐「あ、あのぉ……渡邉と言いますけど…」
「はい……?」
由依「ほらっ!!」
理佐「あの……よしお…くん…いらっしゃいますか?」
「あー、よしおね、ちょっと待ってね」
「よしおー!!電話よー!!」
義雄「あー? 誰ー?」
「渡邉さんて子、女の子よー♪」
義雄「え!?」
バタバタバタ……
「誰?彼女?」
義雄「違うよ!!もぉー!貸してっ!!」
義雄「あ!もしもし……」
理佐「あ、西野…くん…?」
義雄「あ、うん…どうしたの?」
理佐「あ、うん………」
由依「ほらっ!!」
理佐「あ、あのね……」
義雄「うん………」
理佐「何て言ったらいいの?」
と、私は受話器をふさいで小声で由依に問いかけた。
由依「あーもぉー!!」
由依が紙に書いてカンペのように出してくれた。
カンペ「CDありがとう」
理佐「あ、あの…CDありがとう…」
義雄「あ、うん…どうだった?」
理佐「うん、よかった♪たまにはあんなのも…」
理佐「西野くんていつもあんなの聞いてるの?」
義雄「あー、うん…ほとんどあんなのばっかり…かな?」
理佐「へぇ~そうなんだ……」
カンペ「デートに誘え!!」

私はそのカンペを見て一瞬戸惑ったが、由依と茜の圧に押されて思わず声にした。
理佐「あ、あのさぁ…」
義雄「ん…?」
理佐「今度の日曜てヒマ?」
義雄「え……?」
理佐「あのぉ…お薦めの本て言ってたけど…」
義雄「うん…」
理佐「よかったら本屋で一緒に見ない?」
義雄「あ、うん…いいの?」
理佐「うん、私の持ってるのでもいいんだけど…私も欲しいのあるから一緒に見に行かないかな?と思って…」
義雄「あ、うん…いいよ♪」
理佐「わっ、オッケーだって!!」
由依・茜「うそっ!やったじゃん!!」
カンペ「阪急の前で11時に!!」
理佐「あ、じゃあ阪急の前に11時でいい?」
義雄「うん、いいよ♪じゃあ11時に♪」
理佐「ありがとう♪じゃあ、おやすみ♪」
義雄「うん、おやすみ♪」
ガチャ……
由依「やったじゃん!!」
茜「やったじゃん!!」
理佐「ふぇーん、緊張したー!!」
由依「えらいえらい、よくやった!!」
茜「えらいえらい、よくやった!!」
こうして無事にデートに誘うことが出来たのでありました。
第十九話へつづく…