君の心が聞こえる。
手元にあったわたしのスマホが断続的に震えて、見ると目の前の人からメッセージアプリに大量のスタンプが送られてきていた。
「ちょっとメグくん」
「友達ゼロで通知ゼロのセンパイに、俺からのプレゼント」
「……本当、生意気なんだから」
ケラケラ楽しそうに笑うメグくんを見て、理由を聞く気も失せてしまった。
だいぶ、メグくんの色んな顔を見るようになった。
最初の頃の君は、本当に無機質な感じだったから。
相変わらずメグくんの心の声は何も聞こえては来ないけど、でも逆に、死にたいという声も聞こえてこない。
これはいい傾向。
だからきっと、メグくんが生きたいと思うための理由も、もうそろそろ見つかるのかもしれない。
なのに、なんでだろうな。
少し寂しいと思ってしまうのは。
「メグくんこそ、最近女の子と一緒にいるところ見ないけどいいの?そのスマホだって、わたしにスタンプ送るより、今までみたいにお誘いメッセージ送ることに使ってた方が喜ぶと思うしそれに、」
「………」
「メグくん?」