君の心が聞こえる。


何故か呆然と固まってしまったメグくんに、もう一度声をかけてみる。


「おーい……」

「ビビった。センパイの口からそんなこと言われるなんて」

「?」


それからまた普通に戻ったメグくんは、なんだか嬉しそうに笑った。



「大丈夫だよ、センパイ。ほら見て」


いじっていたスマホを持ってわたしに近づいてきたメグくんは、その画面をわたしの目の前にグッと勢いよく差し出す。



えーっと、これは……?



「俺の連絡先のリスト。女の子の名前は、ゆーりセンパイだけ」

「え?」

「全部消したんだよ。だから俺のスマホは今、センパイにスタンプ連打することが喜びなの。わかる?」


更にグッと前のめりにスマホを突き出されても、今度は近すぎて見えやしない。


< 102 / 251 >

この作品をシェア

pagetop