君の心が聞こえる。
あーあ、まったく。
相変わらず生意気な子なんだから。
もう一度そのスタンプを見て元気をもらうと、わたしはスマホをポケットにしまった。
「……今の子って、1年生で有名な千堂くんだよね」
「……うん、そう」
「優ちゃん、仲良いんだね」
「うん、まぁね」
ポツリ、ポツリと、さっちゃんがわたしに話しかける。
わたしも、ただそれに答えた。
けど今までと違うのは、わたしも、彼女に言いたいことがあるということ。
暫くの沈黙が続いた。
体感としては何十分もあったような。でも実際はたぶん数十秒なんだと思う。
「優ちゃん。あの時は……本当にごめんなさい」
意を決したように、彼女はそう言った。
今にも泣きそうな顔をして頭を下げてくるその姿に、わたしまでたまらなく泣きそうになる。
ただ、漠然と思った。
……あぁ。さっちゃんだ。さっちゃんがいる。
怖がらせたくなくて、また気味悪がられるのが怖くて、ずっと避けてきた。
彼女の言葉も聞く勇気がなくて、怖くて、全部が痛くて。