君の心が聞こえる。


わたしのこの力を知ってるのは、彼女だけ。

だから彼女のこの言葉の意味が理解できるのは、わたしだけ。



意識的に、わたしは彼女からの心の声を遮断してる。

それを解けと、さっちゃんは言っているんだ。



絶対に目を逸らそうとはしなかった。


目が合わなくなったあの日は、もうない。




怖くないと言ったら嘘になる。

今だって、心臓がドクドク脈打ってる。




……でも。



スッと、集中していた意識を解いた。




『……さすがにちょっと、気持ち悪い、かも』


わたしが最後に聞いた大好きな友達の声。




怖くてすぐにでもまた聞こえないように意識で耳を塞ぎたくなるけれど、その気持ちごとさっちゃんはギュッと手を握ってくれた。



"……優ちゃん。"

「……っ」


優しい友達のその声を聞いたのは、どれだけ久しぶりだろうか。


ポタ、ポタ、と、目の前の彼女に負けないくらい、わたしにも涙がこぼれ落ちてくる。



"大好きだよ。優ちゃん。"

「……、うん……」

"今も昔も、変わらずずっと優ちゃんが大好き。"


真っすぐ伝わってくる言葉。

これを嘘だと言える人間なんてどこにいるんだろうか。


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