君の心が聞こえる。
でも、さっちゃんに負けずわたしにも後悔していたことがたくさんある。
「わたしも。さっちゃんがずっと隠してた秘密、バラしちゃった。……酷いことも言った」
今でもあの時自分の口から出た言葉はしっかり覚えてる。
……叶いっこない、なんて最低だった。
「ううん、いいの。あの時の優ちゃん、自分だけ嫌われ者になろうとしてくれたんだもん。それにね、私の好きな人……兄ちゃんね、結婚したんだ」
「……そっか」
「今はもう子供がいてね。姪っ子。私叔母さんだよ?でもね、すーっごく可愛いの」
"もう何も悲しいことなんてないよ。"
そう言ったさっちゃんは、わたしの顔を覗き込んでニコリと笑った。
あぁ、そっか。
わたしたちが話さなかった時間は、こんなにも長かったんだね。