君の心が聞こえる。
メグくんの、生きる理由。
最初は興味本位で近づいたメグくんとの関係も、まさかこうなるとは思ってもみなかった。
「え、揃えたいものってコレのこと?」
「そう。前に言ったでしょ。わたしも同じのつけるって」
「え、あれ本気だったわけ?」
「失礼な。わたしはいつだって本気だよ」
街の一角にある、わたしには縁のなかった香水専門のお店。
手に取った小瓶を見たメグくんは、なぜか目を丸くした。
「あ、テスターあるじゃん。そうだよね、確認できないと間違ってたら大変だもんね」
「でもセンパイ、それ男物なん……」
「メグくん、ちょっとちょっと」
小さく手招きして、呼び寄せる。
「軽―くしゃがんでくれる?」
「ったく、一体何がしたいん……、……っ、ちょっと!」
背の高いメグくんと目線が近づいて、わたしはその首筋に顔を近づけた。
スン、と匂いを嗅ぐと感じるのは、メグくんのいつものあの香り。