君の心が聞こえる。
「あ、やっぱり間違いない。メグくんと同じ香り」
「~~……っ、あのなぁ」
「え?」
パッと顔を上げると、文字通り目の前にはメグくんの顔。
「……っ!え、あ、ごめ……」
この状況になって初めて自分がメグくんに近づきすぎたことに気が付いて、慌てて距離を取った。
……あ、焦ったぁ。
顔が急に熱くなってきて、片手でパタパタと仰ぐ。
さっきまで割と冷静に普通に楽しめていたはずなのに、また急に緊張し始めてしまった。
「……センパイ、それ買うの?」
「あ、えっと……うん。気に入った、し」
「そっか」
目が……見れない。
それ以上どう話せばいいのかわからなくて、わたしを小瓶を持って逃げるようにレジへと向かった。
「ありがとうございましたー」
お店を出ると、メグくんが待っていてくれた。
「……男物だけどいいの?それ」
「うん。これがいいの」