君の心が聞こえる。
「あれ?もしかして市原先輩スか?変人で有名な」
「おい、菊島!」
メグくんの隣にいた男の子が、ひょっこりと顔を出した。
わぁ、これまた背が高い。メグくんよりもあるかも。
でも初対面なのにどストレートにわたしを変人呼ばわりするその根性は、メグくんに似てるね。
「あはは、いーよ。ストレートな子は嫌いじゃない」
ケラケラ笑うわたしに「あざす」と言った彼は、本当に裏表がなさそう。
メグくんも含めて、こういうタイプは本当に嫌いじゃない。
良くも悪くもストレートな人は、心の中でネチネチされるよりよっぽど付き合いやすくて楽だ。
それにしても。
「君、メグくんの友達なのに金髪じゃないんだね。というか真っ黒」
金髪のメグくんの横に黒髪って、なんだか違和感。これはこれで新鮮で面白いけど。
「センパイの中で俺の基準ってマジでどうなってんだよ」
「クッ、アハハ!やっぱ変な人っすね、市原先輩」
「え?」
呆れが止まらないメグくんと、なぜか大笑いする黒髪くん。