君の心が聞こえる。
だから、気にはしてない。
"市原先輩、また恵くんと一緒にいる。"
"普段無表情なくせに、男の前じゃあんな笑うわけ?"
"変人に加えて男好き?ないわー。"
チクチク刺さる言葉の棘の発信者は、主に女の子。
改めて自分の嫌われ具合に苦笑する。
……これも、なんとかしないといけないんだよね。
わかってる。わかってはいるんだけど、嫌われ役の方が楽と思ってしまっている自分もいて、結局このままなんだ。
***
「へぇ~。じゃあ楽しかったんだ?千堂くんとのデート」
「うんすっごく。でも、メグくんへのお礼のはずだったのに、結局わたししか買い物してなかったっていうオチなんだけどね」
「あはは、優ちゃんらしい」
午前中の体育は、A組B組の合同授業だった。