君の心が聞こえる。


クラス対抗バレーらしいけれど、人数も限られた状態じゃあひとりが試合に出る時間は極端に短い。


今まではずっとひとりで適当に時間が過ぎるのを待っていたけれど、今日は隣にさっちゃんがいるから、他のひとたちが試合の間はおしゃべりタイムだった。




さっちゃんに話したのは、昨日のデートのことと、あともうひとつ。


自覚したメグくんへの気持ちを、わたしは少し小さい声で彼女に伝えた。


さっちゃんは少し驚いたように目を見開いたけれど、すぐに嬉しそうに微笑んだ。


「そっかぁ」と、優しい声付きで。




さっちゃんと恋の話をするようになるなんて、少し変な感じ。


それも全部メグくんのおかげだって思うと笑みがこぼれてしまう。


「ふふっ、だからかぁ。今日の優ちゃん、いつもより女の子って感じがする」

「えー、そうかな?」

「うん、すごく可愛いよ」


さっちゃんがあまりにも褒めてくれるから、なんだか気恥ずかしい。


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