君の心が聞こえる。
「でもね、話しかけると明らかに嫌な顔されるの。それがわかってるのに良い顔するって心底面倒くさくて」
しかも、いや~な心の声付きで、だ。
別にそれで悲しくなることはない。そんな可愛い時期は小学生で置いてきた。
ただちょっと、ムカッとするだけ。
「あー……。センパイって、興味ないことにはとことん無だもんね」
「あら、よく知ってるね」
「センパイと過ごしてたらだいたいわかるよ」
小4のあの日から、だいぶ性格がねじ曲がった自覚はある。
こればっかりは難しいところだ。
「ねぇゆーりセンパイ」
「うん?」
「別に、無理して相手に良い顔しなくてもいいんじゃねぇの?」
「え?」
真っすぐに見つめられながら、メグくんがそう言った。
「センパイの努力が無駄とかそーゆーんじゃなくて。ゆーりセンパイにはゆーり先輩に合う人がいるって意味」
上野先輩とか、と、メグくんは続ける。