君の心が聞こえる。
「大丈夫。センパイの良さを分かってくれる人は必ずいるよ。その時だよ、センパイが本当に頑張るべきなのは」
ね?と微笑むメグくんになんだか無性に抱き着きたい衝動に駆られた。
出たよ、メグくんの不思議パワー。
あー、もう。どうしてくれるの。
午後もどうやってクラスの子に話しかけようか悩んでたのが、全部吹っ飛んでいっちゃったじゃんか。
「メグくん、髪」
「え、今?」
「うん、今」
ベッドに腰かけてくれたメグくんの正面に立って、そっとその金髪を撫でた。
やっぱり柔らかい髪の毛と漂う香水の香りに、心が安らぐ。
あぁ、そっか。そうだよね。
お互い一緒にいたいと思う相手じゃないと、意味ないよね。
無理に良い顔、じゃなくて、そのままのわたしで。
でも今までみたいに無駄に反発しないで、歩み寄ってみる意識を持って。