君の心が聞こえる。
好きだよ、メグくん。
好き。
今日何度目かわからない君への言葉を、心の中でそっと告げる。
少し、浮かれていた。
ドキドキしていた。
今この時間が楽しくて、心地よくて。……だから、完全に油断していたんだ。
『メグくんの心の声、いつかは聞こえるようになるのかな』
午前中のさっちゃんとの会話を思い出す。
いつかはと願っていた。
正直怖くても、メグくんが一歩進んでくれたらと、ただ漠然とそう思っていた。
けど、まさか。
───"センパイも、俺といるの楽しい?"
「うん、楽しいよ」
その時が、こんなに不意にやってくるなんて、思いもしていなかった。