君の心が聞こえる。
「大丈夫だよ、お母さん。午後の授業がつまんな過ぎて睡魔がピークなだけ」
「……そう?ならいいけど……」
とても見せられるような顔じゃなくてドア越しに返事をすると、お母さんは心配そうにしながらリビングへと戻っていった。
口ではそう言いつつも、内心ものすごく心配してくれているのは聞こえてくるからわかる。
ごめんね、お母さん。心配ばかりかけて。
いつか、ちゃんと言うからね。
───そこから3日、学校でメグくんに会うことはなかった。
というか、全力でわたしが避け続けている。
もちろん保健室には行かないし、登下校の時間もめちゃくちゃズラした。
2年の教室までメグくんが来ていたけれど、それも逃げた。
……スマホの電源は、あれから一度も入れていない。