君の心が聞こえる。
ゆっくりと声のする方を振り返ると、そこにいたのはわたしの好きな人。
「なん……」
「やっと見つけた」
たった今、覚悟を決めた。
今、会いに行こうと思ったその人と、わたしは確かに目が合った。
メグくんだ。メグくんが、いる。
久しぶりに見たその姿に、なんだか涙が出そうだ。
「もう逃げらんないよ、センパイ」
ホッとしたように、切なそうに、メグくんはわたしにそう言う。
散々うじうじしていたくせに、その姿を見るとたまらなくその腕の中に飛び込みたくなった。
「メグく……」
一歩、彼に近づいた。
"あれって、1年の千堂くんじゃない?"
「っ、」
それなのに。こんなときでも、わたしの耳はいろんな声を拾ってしまって。
思わず口を閉じたわたしに、メグくんの方から歩み寄ってきてくれた。