君の心が聞こえる。
それは、確かにわたしの耳に届いた。
完全に、聞こえるようになっている。
出会った頃に聞こえていたマイナスな言葉以外、何も聞こえなかったはずの空っぽなメグくんはもういなかった。
どういう反応をしたらいいのかわからなくて思わず視線を外すと、小さな声でメグくんは「やっぱり」と言う。
……っ。
もう、誤魔化しようがない。
無駄とわかっていても、もう一度だけ繋がったメグくんの手を振り払おうとした。
が、やっぱり上手くいくわけがない。
「……怖くないの?」
思わず、そう聞いてしまった。
メグくんに会いたかった。
会いに来てくれて嬉しい。
強く握られた手にドキドキする。
でも。
「気味、悪いでしょう?」
やっぱり、わたしは普通じゃないから。
メグくんにどう思われているのかが、怖くて怖くて仕方ない。