君の心が聞こえる。
無意識に震えてしまっていた手を、メグくんのもう片方の手がさらに包んでくれた。
「なんの話?」
「……っ!」
あまりにも優しすぎるメグくんの声が、保健室に静かに響く。
あぁ、もう。
全部わかってるくせに。
こんなときまでとぼけなくたっていいんだよ、メグくん。
彼のその優しい嘘に、一気に力が抜けた。
『千堂くんは優ちゃんを拒絶したりなんかしないよ』
あぁ、うん。そうだねさっちゃん。
わかっていたはずなのに、どうしてわたしは信じられなかったんだろう。
そういえば、と、もうひとつさっちゃんが言っていた言葉を思い出した。