君の心が聞こえる。
俺の突然の告白に、一瞬で硬直したセンパイ。
かと思えばその顔はみるみる赤くなっていって。
「ふはっ、センパイりんごみたい」
「……~っ、な、なに急に」
俺のたった一言でそんな風になるセンパイを、心の底から可愛いと思った。
たった1人の、愛しい人。
「センパイ、覚えてる?出会った頃、死にたいことを認めもしない俺に、センパイが言ったこと」
俺は、忘れてないよ。忘れられるわけがない。
『メグくん。わたしを、生きる理由にしたらいいよ』
センパイ、何度も俺に聞いてきたじゃん。
俺が死にたいと思う理由を、それはもうしつこいくらいに。
そしてこうも言ってた。
これからは生きたいと思う理由を聞く、と。
「俺は、ゆーりセンパイのそばにいたい。それが、俺の生きたい理由だよ」
少し恥ずかしいと思うその言葉も、センパイのためならなんのためらいもなく言えた。