君の心が聞こえる。
「ちっさいね」
思わず漏れた感想に、ポカッと力なく胸を叩かれた。
それがまた可愛くておもわず笑ってしまうと、また叩かれる。
「センパイ、口で言ってよ」
文句だろうとなんだろうと、俺はあなたの声が聞きたいのに。
「……き」
「え?」
「だ……っ、から!……好きって、言ったの」
俺のシャツをギュッと握り締めて、センパイは小さな声でそう言った。
「……やば」
あまりにも小さすぎる声。
普段は俺のことを散々翻弄してくれるくせに、なんなんだろう、この可愛い人は。
「センパイ、顔見せて」
「~……っ、無理!」
「センパイってば」
自分から抱き寄せといて、いざ顔が見たくて引き離そうとすると、さらにギュッとしがみついて離してくれなくなってしまった。
あ、うん。無理。なんだこれ。