君の心が聞こえる。
顔は見れなくても耳まで真っ赤になっていて、これは俺だって心の声を聞かなくても伝わってくる。
自惚れなんかじゃない。
「センパイ、もう一回言って」
「……無理」
「そう?俺は言えるよ。センパイ、超好き」
「~っ!」
ギューッと、センパイを思い切り抱きしめた。
ただ抱きしめるだけなのに、こんなに満たされる気持ちになったことはない。
空っぽな心を埋めたくて必死だったあの頃の自分に教えてやりたいくらい。
「センパイ、俺の彼女になってくれる?」
「……金髪プレイボーイのくせに」
「うわ、まだそんなこと言っちゃうんだ」
素直じゃないあなたも可愛いけど、でも、せっかくならそこは素直に「うん」って言ってほしかったな。
まぁ、いいけど。
他の女の子と遊んでたのも、俺の情けない本音も。センパイには、かっこ悪くて情けないところだって全部知られているんだから。