君の心が聞こえる。
だからその分、俺はあなたをめいっぱい可愛がることにするよ。
──ねぇ、センパイ。どうせこれも聞こえてるんでしょ?
そろそろ我慢の限界だから、引き剝がしてでも顔を見たいんだけど。
「だっ、ダメ!」
「ふはっ、やっぱり聞こえてた」
反射的、と言ってもいいくらいの速度で反応したセンパイの頭をポンポンと撫でる。
これは、センパイが慣れていつもの調子を取り戻してくれるまで長期戦かもな。
それはそれで楽しそうだからいいんだけど。
でも、なぁ。
「ねぇセンパイ、本当にこっち向いてくんねぇの?」
「……っ」
「ゆーりセンパーイ」
あなたの顔が見たいと思ってしまうくらいは、許してほしい。