君の心が聞こえる。
それだけで抱えてた不安から一気に解放されて、泣きそうなくらい嬉しかったのに。
それに加えてあんなことを言われたら、そりゃ機能停止するに決まってる。
初めて恋をした、わたしの好きな人。
たぶん今、ここがわたしの幸せのピークかもしれない。
大げさとかじゃなく、だって本当にそう思うんだもん。
先にお弁当を食べ終わったメグくんの視線が、猛烈に突き刺さっていた。
メグくんが好きだと言ってくれたあの日よりは、だいぶ耐性もついてきたとは思うけど。
でも、この生意気な子はもうひとつ武器を身に着けたから、わたしはいまだに"恋人"という関係に慣れてはいなかった。
"センパイ、早くイチャイチャしよーよ。"
「……っ、ゴホッ」
「あ、センパイ汚い」
「だっ、れのせいだと……!」
「うん?なんのこと?」
まだお弁当を食べているわたしの耳に流れ込んできたその声に、飲んでいたお茶を思わず吹き出すところだった。