君の心が聞こえる。
付き合ったその日、わたしはこの力で今まで起こったことをできる限りメグくんに話した。
さっちゃんとの過去も、全部は無理だったけど伝えられる範囲で伝えた。
だから、このこともメグくんは知っている。
「わかった、俺の負け。センパイが弁当食い終わるまでは何もしねぇよ。だからそれヤメテ。センパイが頭痛くなんの、俺やだ」
「ふふん、勝った」
「……ずりぃよそれは」
ムスッとした顔でメグくんはテーブルに頬杖をつく。
自分で言うのも恥ずかしいけれど、メグくんはわたしを大事にしてくれていると思う。……本当に、自分で言うのは恥ずかしいけれど。
今までだって優しかったけど、付き合ったその日からなんだかメグくんがメグくんじゃないみたいで。
でもそれが嫌じゃなくて、戸惑うけど嬉しくて、恥ずかしいけど幸せで……って、説明もロクに上手くできないくらいには浮かれていると思う。